生活保護、過去最多に 5万2700人、高齢世帯で急増 昨年度の札幌市
生活保護、過去最多に 5万2700人、高齢世帯で急増 昨年度の札幌市
札幌市内で生活保護を受けている人が二〇〇七年度、過去最多の五万二千七百二人(三万五千四百六十七世帯)に達したことが九日、分かった。人口千人当たりの受給者数は二七・八人で全国平均の二・三倍。高齢者世帯の増加が著しく、市などは「年金の引き下げや医療費の負担増などで生活できなくなっている高齢者が増えている」と分析している。
受給者の増加で、〇七年度の市の生活保護費は前年度比0・1%増の九百二十四億円となり、一般会計の一割以上を占める見込み。生活保護世帯の内訳は、高齢者世帯が38%、傷病・障害者世帯が34%、母子家庭が14%だった。
市内の生活保護費受給者数は一九九〇年代前半は三万人前後で推移していたが、長引く不況を背景に九四年度から増加を続けている。全道平均に比べても高水準で推移。二〇〇六年度では、十五の政令指定都市(当時)で大阪市に次いで二番目に多かった。
北星学園大社会福祉学部の木下武徳准教授(公的扶助論)は「病院の閉鎖などで、道内地方都市から札幌に移住した高齢者が、物価高騰のあおりを受け、生活苦に陥るケースも多い。生活保護は最低限保障されるべき公共サービスとして行政がしっかり行うべきだ」と指摘している。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/104009.html
生活保護世帯の増加と失業率には強い相関関係がありますから、失業率の高い北海道で保護世帯が多いのはやむをえない状況です。
一般的に保護世帯は山間部より都市部で高くなる傾向があります。
理由としては、記事のように病院の関係で高齢者が山間部から集まるということもありますが、他にも仕事を求めてやってきた人が保護を受けるようになるといったことも考えられます。田舎では仕事がないが、都会に行けば不安定な仕事であっても、とりあえず生活できるだけの収入を得ることができる場合があるためです。
また、産業構造も影響しています。
山間部には、第一次産業で生計を立てている世帯や、三世代で同居している世帯が多いですが、こういった世帯は突然生活に困窮するという事態に陥りにくいのです。
そのほかにも、持ち家率の高さや、親族間での扶養の意識、生活保護という制度を受給することへの抵抗感の強さなどが影響していると思われます。
ところで、この記事の中では、高齢者世帯の増加について述べられていますが、高齢者世帯38%という数字は全国平均からみると平均以下です。(全国平均は確か50%近くだったと思います)失業が影響をもたらすのは主に稼動年齢層の世帯ですから、やはり仕事がないということが北海道の保護率の高さの背景にあることが想像できます。
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札幌市内で生活保護を受けている人が二〇〇七年度、過去最多の五万二千七百二人(三万五千四百六十七世帯)に達したことが九日、分かった。人口千人当たりの受給者数は二七・八人で全国平均の二・三倍。高齢者世帯の増加が著しく、市などは「年金の引き下げや医療費の負担増などで生活できなくなっている高齢者が増えている」と分析している。
受給者の増加で、〇七年度の市の生活保護費は前年度比0・1%増の九百二十四億円となり、一般会計の一割以上を占める見込み。生活保護世帯の内訳は、高齢者世帯が38%、傷病・障害者世帯が34%、母子家庭が14%だった。
市内の生活保護費受給者数は一九九〇年代前半は三万人前後で推移していたが、長引く不況を背景に九四年度から増加を続けている。全道平均に比べても高水準で推移。二〇〇六年度では、十五の政令指定都市(当時)で大阪市に次いで二番目に多かった。
北星学園大社会福祉学部の木下武徳准教授(公的扶助論)は「病院の閉鎖などで、道内地方都市から札幌に移住した高齢者が、物価高騰のあおりを受け、生活苦に陥るケースも多い。生活保護は最低限保障されるべき公共サービスとして行政がしっかり行うべきだ」と指摘している。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/104009.html
生活保護世帯の増加と失業率には強い相関関係がありますから、失業率の高い北海道で保護世帯が多いのはやむをえない状況です。
一般的に保護世帯は山間部より都市部で高くなる傾向があります。
理由としては、記事のように病院の関係で高齢者が山間部から集まるということもありますが、他にも仕事を求めてやってきた人が保護を受けるようになるといったことも考えられます。田舎では仕事がないが、都会に行けば不安定な仕事であっても、とりあえず生活できるだけの収入を得ることができる場合があるためです。
また、産業構造も影響しています。
山間部には、第一次産業で生計を立てている世帯や、三世代で同居している世帯が多いですが、こういった世帯は突然生活に困窮するという事態に陥りにくいのです。
そのほかにも、持ち家率の高さや、親族間での扶養の意識、生活保護という制度を受給することへの抵抗感の強さなどが影響していると思われます。
ところで、この記事の中では、高齢者世帯の増加について述べられていますが、高齢者世帯38%という数字は全国平均からみると平均以下です。(全国平均は確か50%近くだったと思います)失業が影響をもたらすのは主に稼動年齢層の世帯ですから、やはり仕事がないということが北海道の保護率の高さの背景にあることが想像できます。
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tag : 生活保護
生活保護のしくみ
最後のセーフティネットと呼ばれる生活保護。
今回はその制度面をみていきたいと思います。
皆さんご存知のとおり、国民は憲法によって生存権が保障されています。
それは日本国中どこに住んでいようと同じです。
どこかの市が「財政的に厳しいから、生活保護の額を引き下げよう」と考えたとしても、そのようなことはできません。
ということで、生活保護は国が責任をもって行うべき事務とされています。
しかし現実問題として、保護を受けている人が何か手続きをするたびに国の出先機関に行くのは大変ですし、各世帯の生活状況を把握しなければならないケースワーカーも国の出先機関から行くのではどうしても動きがとりにくくなってしまいます。
そこで法定受託事務という形をとり、事務を県や市に委託して行っているわけです。
そういった性質から、生活保護の費用負担は国が4分の3を負担するということになっています。
また、生活保護制度の運用についても国がある程度細かく定めており、それに従って県や市は事務を執り行っています。
同時に国は、適切な事務がなされているか定期的に監査し、不適当な運用がなされていた場合には是正するようその実施機関を指導することになっています。
しかし、以前の記事で書いたように、生活保護制度は単純な基準で判断できるものでないことと、このような国→自治体という構造のため、運用の細かい面で問題が生じやすいという面を持っているのです。
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今回はその制度面をみていきたいと思います。
皆さんご存知のとおり、国民は憲法によって生存権が保障されています。
それは日本国中どこに住んでいようと同じです。
どこかの市が「財政的に厳しいから、生活保護の額を引き下げよう」と考えたとしても、そのようなことはできません。
ということで、生活保護は国が責任をもって行うべき事務とされています。
しかし現実問題として、保護を受けている人が何か手続きをするたびに国の出先機関に行くのは大変ですし、各世帯の生活状況を把握しなければならないケースワーカーも国の出先機関から行くのではどうしても動きがとりにくくなってしまいます。
そこで法定受託事務という形をとり、事務を県や市に委託して行っているわけです。
そういった性質から、生活保護の費用負担は国が4分の3を負担するということになっています。
また、生活保護制度の運用についても国がある程度細かく定めており、それに従って県や市は事務を執り行っています。
同時に国は、適切な事務がなされているか定期的に監査し、不適当な運用がなされていた場合には是正するようその実施機関を指導することになっています。
しかし、以前の記事で書いたように、生活保護制度は単純な基準で判断できるものでないことと、このような国→自治体という構造のため、運用の細かい面で問題が生じやすいという面を持っているのです。
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tag : 生活保護
生活保護と国民年金
生活保護と国民年金についてのコメントをいただいたので、その件に触れてみます。
国民年金も生活保護もともに社会保障という意味においては同じものです。
それ故に、「現在の年金受給額は低すぎる(生活保護が高すぎる)。これなら保険料を納めずに生活保護を受けたほうがましだ。」
というような意見が見られるようになりました。
このような状況に至った背景として一番大きなものは、時代の変化に伴う生活スタイルの変化であると思います。
国民年金の被保険者は、1号〜3号の被保険者に分類されます。
このうち、2号被保険者(サラリーマン・公務員など)は厚生年金・共済年金の上乗せ部分があります。
また、3号被保険者は2号被保険者の配偶者ですから、離婚しない限りは配偶者の厚生(共済)年金も生活費として計算に入れることができます。
従って、純粋に基礎年金部分だけでの生活を余儀なくされるのは、1号の被保険者ということになります。
昔は非正規雇用が一般的でなく(いたとしても少数であり、現在のように多くの学卒者が非正規雇用に就くというようなことはなかった)、1号被保険者となるのは主に自営業者でした。
また、家族形態としても三世代同居という形が一般的であり、子供の収入を加えれば、現行の水準の給付でも十分に生活していくことが可能だったと考えられます。
また自営業者(特に農家)であれば、持ち家に住む割合も高かったことも想像できます。
言い換えれば、国民年金の創設時には、国民基礎年金のみで、単身世帯または夫婦世帯が、借家に住んで生活するということ自体を想定していなかったのではないでしょうか。
そもそも、本来の意味からいえば、あくまで「保険」である年金と「公的扶助」である生活保護を比較すること自体問題があるのですが、ごく普通の市民からみればどちらも老後の社会保障であることに変わりなく、上述のような意見が出てくるのも仕方ないことかもしれません。
どのような背景があるにしろ、非正規雇用が増加しているのは事実ですから、年金制度に何らかの改革は必要だと思います。
ただ、保険料の額をこれ以上上げることは難しいですし、保険である以上、非正規雇用者であったものに対してのみ給付額を上げるというわけにもいかないでしょうから、非正規雇用の賃金を上げた上で、厚生年金への加入を義務付けるのが現実的な解決策でしょうか。
ご意見・ご感想をお待ちしています。
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国民年金も生活保護もともに社会保障という意味においては同じものです。
それ故に、「現在の年金受給額は低すぎる(生活保護が高すぎる)。これなら保険料を納めずに生活保護を受けたほうがましだ。」
というような意見が見られるようになりました。
このような状況に至った背景として一番大きなものは、時代の変化に伴う生活スタイルの変化であると思います。
国民年金の被保険者は、1号〜3号の被保険者に分類されます。
このうち、2号被保険者(サラリーマン・公務員など)は厚生年金・共済年金の上乗せ部分があります。
また、3号被保険者は2号被保険者の配偶者ですから、離婚しない限りは配偶者の厚生(共済)年金も生活費として計算に入れることができます。
従って、純粋に基礎年金部分だけでの生活を余儀なくされるのは、1号の被保険者ということになります。
昔は非正規雇用が一般的でなく(いたとしても少数であり、現在のように多くの学卒者が非正規雇用に就くというようなことはなかった)、1号被保険者となるのは主に自営業者でした。
また、家族形態としても三世代同居という形が一般的であり、子供の収入を加えれば、現行の水準の給付でも十分に生活していくことが可能だったと考えられます。
また自営業者(特に農家)であれば、持ち家に住む割合も高かったことも想像できます。
言い換えれば、国民年金の創設時には、国民基礎年金のみで、単身世帯または夫婦世帯が、借家に住んで生活するということ自体を想定していなかったのではないでしょうか。
そもそも、本来の意味からいえば、あくまで「保険」である年金と「公的扶助」である生活保護を比較すること自体問題があるのですが、ごく普通の市民からみればどちらも老後の社会保障であることに変わりなく、上述のような意見が出てくるのも仕方ないことかもしれません。
どのような背景があるにしろ、非正規雇用が増加しているのは事実ですから、年金制度に何らかの改革は必要だと思います。
ただ、保険料の額をこれ以上上げることは難しいですし、保険である以上、非正規雇用者であったものに対してのみ給付額を上げるというわけにもいかないでしょうから、非正規雇用の賃金を上げた上で、厚生年金への加入を義務付けるのが現実的な解決策でしょうか。
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生活保護の抱える問題
生活保護制度の特徴として、判断の基準があいまいな部分が多いという点があります。
生活保護の実務の規範となる生活保護実施要領には、
「○○は××とすること。
ただし、必要やむをえないと認められる場合は△△として差し支えない。」
というような言い回しが多く見受けられます。
これは、要保護者にが抱える問題は千差万別であり、画一的・機械的な運用を避けるべきとの考えに基づくものです。
年金などは受給要件・受給額ともに定められており、自分がどういった生活状況にあろうと、客観的な判断が可能であるため、受給・不受給の境目が明確です。
一方、生活保護はその部分があいまいなため、隣の市では支給されていたものが、引越したら支給されなくなった。というような事例が現実に起こりえます。
当然、基準額は国から通知されていますので、その部分で争いが起きることはありえませんが、一時的な扶助や、前の記事で書いた稼働能力の活用の判断などはそれぞれの自治体により判断が異なることは往々にしてあることです。
市民感情からいっても、事務効率の面からいっても、もう少し生活保護の基準を単純明快なものにすればどうだろうかと思います。
ご意見・ご感想をお待ちしています。
生活保護の実務の規範となる生活保護実施要領には、
「○○は××とすること。
ただし、必要やむをえないと認められる場合は△△として差し支えない。」
というような言い回しが多く見受けられます。
これは、要保護者にが抱える問題は千差万別であり、画一的・機械的な運用を避けるべきとの考えに基づくものです。
年金などは受給要件・受給額ともに定められており、自分がどういった生活状況にあろうと、客観的な判断が可能であるため、受給・不受給の境目が明確です。
一方、生活保護はその部分があいまいなため、隣の市では支給されていたものが、引越したら支給されなくなった。というような事例が現実に起こりえます。
当然、基準額は国から通知されていますので、その部分で争いが起きることはありえませんが、一時的な扶助や、前の記事で書いた稼働能力の活用の判断などはそれぞれの自治体により判断が異なることは往々にしてあることです。
市民感情からいっても、事務効率の面からいっても、もう少し生活保護の基準を単純明快なものにすればどうだろうかと思います。
ご意見・ご感想をお待ちしています。
tag : 生活保護
「生活保護不支給は違法」=ホームレス男性が提訴−東京地裁
「生活保護不支給は違法」=ホームレス男性が提訴−東京地裁
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2008070700262
現行の生活保護制度においては、法第4条第1項で
「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」
と謳われています。
いわゆる「補足性の原理」というやつです。
つまり、いろいろがんばって、それでもだめなら保護しますよということです。
「資産」についてなら、まだ判断がしやすいのですが、
「働く能力」についてとなると少し判断が難しい。
「資産」は多くの場合、数値化することが可能ですが、「働く能力」というものはそれができないため、判断基準を設けることが難しいからです。
病気等の理由で一般の人と同じ程度に働くことができない人に、
一般の人並みの仕事の収入を求めることはできません。
逆に、少しでも働けるのであれば、月に2万でも3万でも収入を得る努力をする必要があります。
0.5の力しかない人は、その0.5の力は使ってくださいということです。
また、仕事を探そうとしたかどうか・あるいはどれくらい熱心に仕事を探したかも判断の一つの基準とされるところです。
そこで、この事例をみてみると、ホームレス状態というのは一つの就労阻害要因であることは確かであると思います。
また、57歳という年齢からも、雇ってくれる職場が少ないことは想像できます。
この記事からはわかりませんのであくまで仮定になりますが、「自分はホームレスだからどうせ仕事がない」と考えて、まったく仕事を探そうとしなかったのであれば、初めに書いた「補足性の原理」を満たしていないと判断するのが妥当でしょう。
ご意見・ご感想お待ちしています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2008070700262
現行の生活保護制度においては、法第4条第1項で
「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」
と謳われています。
いわゆる「補足性の原理」というやつです。
つまり、いろいろがんばって、それでもだめなら保護しますよということです。
「資産」についてなら、まだ判断がしやすいのですが、
「働く能力」についてとなると少し判断が難しい。
「資産」は多くの場合、数値化することが可能ですが、「働く能力」というものはそれができないため、判断基準を設けることが難しいからです。
病気等の理由で一般の人と同じ程度に働くことができない人に、
一般の人並みの仕事の収入を求めることはできません。
逆に、少しでも働けるのであれば、月に2万でも3万でも収入を得る努力をする必要があります。
0.5の力しかない人は、その0.5の力は使ってくださいということです。
また、仕事を探そうとしたかどうか・あるいはどれくらい熱心に仕事を探したかも判断の一つの基準とされるところです。
そこで、この事例をみてみると、ホームレス状態というのは一つの就労阻害要因であることは確かであると思います。
また、57歳という年齢からも、雇ってくれる職場が少ないことは想像できます。
この記事からはわかりませんのであくまで仮定になりますが、「自分はホームレスだからどうせ仕事がない」と考えて、まったく仕事を探そうとしなかったのであれば、初めに書いた「補足性の原理」を満たしていないと判断するのが妥当でしょう。
ご意見・ご感想お待ちしています。





